PROJECT STORY

事例紹介

背景

JFEプロジェクトワン
最大のプラントが
生まれるまで

大手化学メーカー
国内化学プラント建設工事

前身である三井E&Sプラントエンジニアリング時代を含めて国内最大規模となる大型プロジェクト。この大型EPC工事にどのように立ち向かったのか、プロジェクトの責任者に聞いた。

MEMBER

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プロジェクトマネージャー

倉島 啓SATOSHI KURASHIMA

プロジェクト本部 プロジェクト部
化学プラントグループ 主管

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エンジニアリングマネージャー

大古 宏治KOJI OHGO

プロジェクト本部 プロジェクト部
化学プラントグループ 主管

CHAPTER

01

プロジェクトの経緯について教えてください。

倉島:大手化学メーカー様が独自製品の増販計画により生産量拡大を図るため、新プラントの建設を検討されていました。長いお付き合いがあるお客様であり、新プラントの基本設計の際に、お声がけいただきました。2015年より国内立地ベースで基本設計を開始しました。しかし途中で海外に建てるという話になり、一度当社の手を離れたものの2017年に再び国内立地で実施されるという計画が再燃。改めて当社で基本設計を行いました。

大古:二転三転しましたが、基本設計を実施した優位性を活かしてEPC工事に入札し、当社として国内最大規模のプロジェクトを受注することに成功しました。

※EPC工事とは、設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)を一括で請け負う契約方式。
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CHAPTER

02

どのような体制でプロジェクトに臨みましたか?

倉島:私がプロジェクト全体を統括するPM(プロジェクトマネージャー)となり、プロジェクト全体の遂行と、工程・予算・品質の方針決定や客先との折衝を行いました。設計業務を統括するEM(エンジニアリングマネージャー)として大古さんが入りました。

大古:EMはプロセス・機器・配管・計装・電気・土建という各設計グループをまとめる役割です。技術的な問題点に対し客先や社内と調整し、官庁申請の助勢業務も行いました。各設計グループのリードエンジニアの下にエンジニアが付き、設計以外にも調達、品質保証、建設のメンバーが選任されています。総勢20名以上の主力メンバーでプラント建設に臨みました。

お二人はなぜプロジェクト責任者に抜擢されたのですか?

倉島:ひとつ前に私と大古さんで30億円規模のEPC工事をやり遂げたので、その経験が買われたのだと思います。とはいえ、その3倍以上の規模。EPC工事の一連の流れはもちろん分かっていますが、三井E&Sプラントエンジニアリング時代を含めて前例のない規模には少し不安がありました。

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CHAPTER

03

苦労したのはどんなところですか?

倉島:規模が増えれば、その分の設計対応と工事対応が必要になってきます。プラントの配管や機器などはベンダーに発注し製作しますが、そのボリュームも膨らみます。設計ミスや不具合があった場合のインパクトは計り知れないものがあります。その上、25ヶ月という短期間でプロジェクトを完遂しなければいけません。

大古:これだけ大規模かつ短納期であるにも関わらず、今回は幾度も設計変更が入りました。より良いプラントを建設するために、なかなか仕様が固まらず、客先を含めてお互いに苦労した部分です。工程を睨みながら設計交渉を行っていきました。

どのように工夫し、それを乗り越えて行きましたか?

大古:毎朝メンバーを集めて朝会を実施しました。そこでお互いに問題点を共有し、チームで検討してもらうことを繰り返しました。問題を早期に発見し、メンバー全員がベクトルを合わせられるように、コミュニケーションを密に取ることを心掛けました。

倉島:お客様のプロジェクトメンバーとも密にコミュニケーションを重ねました。設計段階では幕張本社に来ていただいて3Dモデルを見せながら打ち合わせを行いました。

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CHAPTER

04

現地工事はいかがでしたか?

倉島:納期を守るため設計が終わらないまま着工することになり、一つの変更による後工程への影響が想定以上に大きく、対処に苦慮しました。

大古:設計の遅れを挽回するため、私も現場に入り調整を行いました。どうすれば工期を守れるのか日々議論を交わし、現場の意見も踏まえながら設計を固めていきました。工事の遅れをキャッチアップするためにメンバーを増員していただいたPMや会社幹部のおかげで無事に完遂することができました。

プロジェクトが終わった時の感想をお聞かせください。

倉島:プラントの引渡しがなされた際は、「やっとここまで来た」と感じました。設計段階も、建設工事もメンバーが汗水流して頑張っていた姿を見ているので、みんなの努力がようやく報われたと感じました。

大古:長かったようであっという間の2年強。工事終盤、いろいろな苦難がありましたが、客先への引渡しが完了した時、重圧から解放された瞬間でした。そのあと客先の試運転を経て無事完成したとの報告を受け、最後まであきらめずに対応してきて良かったという達成感がありました。

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CHAPTER

05

プロジェクトを振り返って一言お願いします。

大古:人をどのように動かせば、正しい方向に導けるのか、プロジェクトを通じてスキルアップしたと思います。ただもう少し、お客様の要求に対する交渉力や代替案を提案できるようなスキルがあれば、プロジェクトをスムーズに進められたと思っており、この経験を活かしてさらに自分に磨きをかけていきたいです。お客様からは「今後もぜひ協力お願いしたい」という言葉をいただき、次につながる仕事ができたと思います。

倉島:お客様にご協力いただき一体となってプロジェクトを遂行できたのは、良好な関係を築くことができたからだと考えています。これだけの規模になると、プロジェクトメンバーだけで対応できません。会社全体で組織的に対応する必要があります。このプロジェクトの途中で会社組織が変わり、プロジェクト部が独立したことでより機能的に動けるようになりました。今後もお客様の新たなプロジェクトの一翼を担う存在でありたいと思います。

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